第1話 人生7回裏に差し掛かった人たちへ
投稿者名:七回裏の男
はじめまして。七回裏の男と申します。
長く会社員として働いたあと、私は定年より少し早く会社を離れることになりました。
理由はいろいろありますが、ここでは細かな事情には触れないでおこうと思います。身の上話を細かく書きすぎると、読む方にとっても少し重くなりますし、私自身の身元にも関わってきますので。
退職後は、それまでとはまったく違う分野を学び直し、いくつかの資格も取りました。
ただ、資格を取ったからといって、すぐに人生が劇的に変わったわけではありません。むしろ、その過程で見えてきたのは、退職後の人間が本当に求めているものは、資格そのものよりも、居場所や役割なのではないか、ということでした。
このブログは、定年退職、あるいは早期退職を迎えた同世代の方に向けて書いています。
タイトルにある「人生7回裏」という言葉は、野球の比喩です。
人生を9回まである試合だと考えたとき、60歳前後は、まだ試合が終わったわけではありません。
ただし、1回から6回までとは、少し戦い方が変わってくる時期でもあります。
若い頃のように、力任せにフルスイングすればよいわけではない。
けれど、まだ8回も9回も残っている。
もしかすると、ここから試合の流れが変わることもある。
そんな意味を込めて、「7回裏」と呼ぶことにしました。
会社員生活を長く送っていると、自分でも気づかないうちに、会社の中での肩書きや役割が、自分そのもののようになっていきます。
名刺があり、部署があり、役職があり、予定表が埋まっている。
毎朝行く場所があり、会う人がいる。
それは窮屈でもありますが、同時に、自分の輪郭を保ってくれるものでもあったのだと、退職してから気づきました。
仕事を離れると、時間はできます。
自由にもなります。
しかし、その自由は、最初から心地よいものとは限りません。
自由になったはずなのに、どこか落ち着かない。
予定がないことに安心するどころか、不安になる。
朝起きても、行く場所がない。
誰からも呼ばれない。
誰にも必要とされていないような気がする。
私自身もそうでした。
もちろん、退職後の感じ方は人それぞれです。
すぐに趣味に打ち込める人もいるでしょう。
地域活動に自然に入っていける人もいると思います。
家族との時間を心から楽しめる人もいるかもしれません。
ただ一方で、私のように、思ったよりも退職後の時間を持て余し、自分の存在価値のようなものを考え込んでしまう人も、少なくないのではないでしょうか。
このブログでは、私自身の退職後の体験をもとに、居場所、生きがい、学び直し、夫婦の距離感、人とのつながりについて書いていきます。
ときどき、キャリアや心理学の考え方にも触れますが、難しい論文の解説をするつもりはありません。
あくまで、同じ時期を歩いている方と一緒に考えるような文章にしたいと思っています。
人生7回裏。
まだ試合は終わっていません。
ただ、これまでと同じ打ち方では、少し苦しくなる場面もあるかもしれません。
では、これからどう打席に立つのか。
そんなことを、少しずつ書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回は、定年退職がなぜ昔のような「隠居」ではなくなったのかについて、考えてみます。
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